NO.1056 わらべうたの教育力『型の効用』について 齋藤孝 著 子どもに伝えたい〈三つの力〉より考察

 

 

 

こんばんは

はらやまです

 

 

先回のブログに続いて

齋藤孝先生の著書

『子どもに伝えたい〈三つの力〉』

より、わらべうたの

教育力について

探っていきたいと思います

 

 

先回は〝まねる技を盗む力〟

でしたが

今回は〝型の効用〟についてです

 

 

 

 

わらべうたは

型で伝承されています

 

 

やさしい型から

難しい型があります

 

 

メモ

 

  • 日本はかつて  型の社会であった
  • 強い向上心がなければ 型を技として身につけることは難しい
  • 反復練習をして身につけるためには 型が必要となってくる
  • 伝承のものは基本 型でできている
  • 身につけるまでは 苦労は多くても ひとたび身につけてしまえば無類の効果を発揮するのが型
  • 優れた型は 一生ものである。その型の技化に費やした反復練習の時間が、何十倍にもなって生涯に益をもたらす

 

  

 

今日は

わらべうたの教育力を探るため

この〝型の効用〝に

焦点をあててみる

ブログです

 

 

(齋藤先生は、著書のなかで〝わらべうた〟と、直接書いていませんが、伝承の型にわらべうたも含まれます)

 

 

わらべうたを

覚えるために

一生懸命反復練習をして

その「型」を遊んだ結果が

将来 何十倍にもなって

その子の人生に益をもたらすと

したら…

 

 

こんな素晴らしいことは

ありませんね

 

 

たかが、子どもの

遊びに、あなた大げさですよ

思う方もいらっしゃる

でしょう

  

 

確かに

子どもの遊びではありますが

〝子ども達は遊びで学習していきます〟

 

 

近年、非認知能力ということが

世界に認められ

子どもにとって

〝遊び〟は〝学習〟と同等か

それ以上に大事だということが

多くの研究者により

明らかにされています

 

 

 私はわらべうたを伝承して

います

この〝型の効用〟も

しっかり

押さえておかないと

いけないのです

 

 

 

 *

 

 

 

  • 発達の遅れている子どもさんの療育にも、わらべうたが取り入れられているのは、パターン記憶が良いという特徴をもつ子どもさんが、取り組みやすいからなのだそうです

 

 

これも〝型の効用〟ですね

 

 

 型って

改めてすごいんだな、と

思います

 

 

時代を超え

現代に生き残っている

この伝承の遊びである

〝わらべうた〟の

その背景に 型の力がある!

 

 

  • わらべうたを教えていると、ふとした場面で型の持つ力が明らかになるときがある。例えば、子ども達は、前にやったことを忘れかけていても〝あっ!そうだった〟と、気付いて 途中からでも 遊びに引き込まれるように入り込んでゆく。それも 実は、型の記憶が全体像として残り 安心感あるいは楽しいイメージとなっているのではないか? 最後はきちんと終わりがくる、こうしてこうすればこうなる、という、一つのパターン記憶としての〝型の効用〟だと思っている
  • 長野あけぼの幼稚園で、一年間の終わりに、園児全員が遊戯室に集まり、わらべうたをやったことがある。異年齢クラスに同じわらべうたを教えておくと、皆で遊ぶときがやってきたら驚くほどまとまる。年上の子どもに圧倒され戸惑っている年少クラスの子どもに、年長クラスの子どもは遊びながら、レスポンスする。歌をうたって遊んでいる途中に型を覚えさせるような動きをする。型の効用は、記憶に残りやすいので、1人でも5人でも、10人でも20人でも、100人でも一つのわらべうたを同時に遊ぶことが可能だ。初めて遊ぶ子どもも見よう見まねでなんとか出来てしまうところがよい、それが体験となる
  • とっさの判断力に繋がるという点でも、型の効用はあると思っている。わらべうたは型でできているため、歌をうたいながら遊んでいる。だから口で喋って教えることができない。カリキュラムのなかで、縦割り保育としてのよさがでればいいなと、年長児・年中児が年間を通して遊び込んできた〝おちゃを飲みに〟のわらべうたを全園児でやった。年少児は初めてのわらべうたに戸惑いもあったと思う。保育者の援助の力もあって、とても上手くいった。年長の子ども達は自信がついたのかすごく張り切っている。次に、年長と年中クラスで〝ひらいたひらいた〟を導入してみた。年中児はこの遊びが初めてだったので最初モデルグループがやってみてから行った。方法としては〝川の岸のみずぐるま〟で5人組をつくり、偶然にできた仲間で〝ひらいたひらいた〟遊ぶようにした。1回目は何もコメントしなかった。すると自然に、年中児だけの輪と年長児だけの輪に別れて遊びの完成度は低かった。次に年長児は年中児と組むように一言だけコメントしてみた。するとわらべうたの特徴がきわだった。教えるときに、同時進行でレスポンス(対応と応対)が行われている。手をつないでこっちへ歩くんだよ、ということを身体で表現している。手を強く引っ張る子どももいるし、体を大げさに進行方向に曲げて歩く子どももいる。うまくいかなくて輪がバラバラになってしまい少し怒った子どももいた。どれも貴重な体験だ。子ども達は、その状況をとっさに判断し、対応を考え行動していた
  • 歌もわらべうたの「型」をつくっている役目の一つですが、歌によって型がより強固になっていると、気付くことがあります。 わらべうたは、自分のほうから歌い出してゆこうとする気分が起きる歌。園児になると、真面目な子どもほど先生の指示をまって、間違えないようにやろうとする。今、歌っていいのか?悪いのか?そちらに気を取られていると歌がつぶやきのようだったりする。「歌もうたって下さいね」と一言つけ加えるとそれは自然な可愛らしい歌声が響き出し笑顔になる。歌が〝わらべうたの型〟を〝より強固にしている!〟と気が付く瞬間だ

 

 

 

 *

 

 

 

幼児教育のなかで

〝手遊び〟はかかせません

わらべうたの特徴は

〝手遊び〟もあるけれど

それだけに留まらず

〝身体遊び〟というところに

教育力の広がりがあります

 

 

歌をうたいながら

同時に手足や身体を動かすと

前頭前野の刺激になり

脳が活性化することも

研究者により明らかにされてきました

 

 

実は、わらべうたなどの集団で遊ぶ

昔遊びは、ただの遊技ではなく

脳トレだったのだそうです

(篠原菊紀先生の著著)

 

 

遊びがエネルギーの発散

だけでなく

脳の刺激となり

身体への刺激となって

すくすく育つ!

 

 

心身の発達に

わらべうたが良いことが

脳科学の研究によっても

わかってきたということです

 

 

 *

 

 

あけぼの幼稚園で教えて

7年目になります

これからも

益々、楽しみです

 

 

第一回目の活動日記が

出てきました↓

お時間がある方

覗いて頂ければ幸いです

 

NO.307 長野あけぼの幼稚園で〝わらべうた参観日〟

 

 

 *

 

 

型についての過去ブログもありました↓

お時間がある方

覗いて頂ければ幸いです

 

 

NO.305 子育ての「型」は一定のレベルまで引き上げてくれる