信濃毎日新聞、私の声(2010年4月8日木曜日)に寄せられた、 北佐久郡の29歳女性の方の投稿を読んで、活動の必要性を強く感じました。 要約してご紹介します。
このところ乳幼児虐待のニュースが続き心が痛みます。
私自身、いつまでも泣きやまない赤ちゃんの声にイライラしたり、泣く理由が分からず途方にくれたり、その子を抱く手に力が入ってしまうことがあります。 それでも今、子育ての楽しさを感じていられるのは、育児に協力してくれる家族、話合える友達、声をかけてくれる方たちの支えがあるからです。
私は「子育ては素晴らしい仕事だ」とみんなが言える社会になればいいと思います。
特に乳児の子育ては、朝から晩まで解放されることはありません。 自分の時間がどんどん削られます。 社会から隔離され、孤立したような感覚になり、母親の心に余裕がなくなっていきます。
以前 夫が「赤ちゃんの泣き声って脳にキンキン響くなぁ。 これをいつも聞いているのは大変だよな」とつぶやいたことがあります。
そんなふうに感じてくれることが励みになります。
「なかなかうまくいかないね…」と友達に共感してもらえることが支えになります。
社会全体で、もっともっと子育てを支援すべきです。 親が自信を持てるように子どもを育てることは大切な仕事なんだと言葉にして伝えてほしいです。 そして家族で、地域で、近所で、声を掛け合って子育てを支えていける社会になってほしいと願います。
(以上、北佐久郡29歳の女性による信毎への投稿文です)
核家族化した現代において、長野県にも、この投稿のように苦しんでいるママたちが、実際はたくさんいるに違いありません。
保育現場で働いていた私自身でも、子育ては夜泣きに悩まされ、まじめに取り組もうとすればするほど自己嫌悪に陥り、母親失格だなんて自分を責めたりし 数々の大変さを経験しました。
ママたちの悲鳴が聞こえてくるようです。
教育評論家の尾木直樹さんは
著書の中で、今日の子どもの危機は、家庭の努力だけでは、まったく解決できないと言い切っています。
それは、問題の背景があまりにも多岐にわたり、しかも、社会的歴史的要因が大きいからとの理由です。
つまり、子育ての責任を個々の閉じた家庭に転嫁するのではなく、「親の孤立を軽減する」・「親の子育て能力を高める」・「家庭内の相互の支え合いを促進」するなどして、子育てを外へと「社会化」を促すことが、これからの子育てを考えるうえで不可欠な視点であり、地域社会のなかで親になるためのスキルやプログラムを共有し、どんなに仕事が忙しい親や子育ての自信をもてない親であっても、安心して親業にいそしめるような支援システムを構築することが求められている。
(尾木直樹著 「子どもの危機をどう見るか」より)
私なりに子育て問題で できることはないか…
と考えたとき、このわらべうたの普及活動は、微力ではありますが具体的な行動になると思ったわけです。
虐待死させてしまった親の理由のなかに「子育て能力がなかった」というものが、上位をしめています。
わらべうたのあやし遊びやふれあい遊びは、具体的な子育て技能です。
親のイライラを軽減したり、親子に笑顔をもたらす効果もあります。
おもちゃがなくても、身ひとつで遊べます。
家の中に子どもと二人っきりでいると、だんだん間がもたなくなってきますが、すぐに遊べてぐずりをなおす手段でもあるのです。
東京・神奈川など関東では、以前からわらべうたの普及活動はずっと盛んですが、長野県では、箕輪町の皆さん(白鳥さん)や飯田の皆さんが頑張ってらっしゃいます。
長野市でもマゼコゼの小池つねこさんが頑張ってらっしゃって、じわじわ伝わってきています。
生後3か月から私の講座に続けて通ってきてくれているママから、始めはねんねの赤ちゃんだったのに、最近はわらべうたを口づさむようになり、ずっと続けてきた効果の感動を実感していると聞き大変うれしくなりました。
また、第2子が産まれる報告をしに来てくれるママが増えたのも、最近の嬉しいニュースです。
是非、長野市のママたちにわらべうた♪♫が伝わって、子育てが楽しいと思えるお手伝いができていけばいいなぁ…と願っています。
2011年7月6日 はらやま